その他追加試験 (カビ)

概要

微生物株の毒素産生能や生育性などを評価する試験です。以下の試験の他にも、ご要望に応じた試験を提案します。お気軽にお問い合わせ下さい。

  • アフラトキシン生合成遺伝子解析試験

    Aspergillus oryzae はアフラトキシン生合成遺伝子が欠失していることにより、カビ毒のアフラトキシンを産生しないことが報告されています。当試験は、酒類総合研究所の試験方法1)-3)に基づき、アフラトキシン生合成反応に必要な酵素をコードする遺伝子のうち7つの遺伝子 (aflT,nor-1,aflR,norA,avnA,verB,vbs ) の欠失をPCRで確認し、その結果に基づいて、酒類総合研究所の保有するA.oryzae 菌株グループ (1~3) のどのグループに属するかを判別します。 グループ1の場合は、追加試験にて、aflJ-aflR の遺伝子構造をA.oryzaeと比較することで、検体のアフラトキシン生合成遺伝子発現の有無も推定が可能です。ただし、 A.oryzae 菌株グループのいずれにも属さない結果の場合は、アフラトキシン生合成遺伝子の発現の有無を推定できません。
  • 耐熱性試験 (定性)

    100℃以下のご指定の温度条件による加熱処理後、寒天平板培地上での生育の有無から耐熱性の有無を判定する試験です。耐熱性試験を行う際には、食品の製造条件などの現場の状況を考慮した加熱条件で耐熱性試験を行うことが好ましいとされています。試験をご希望の際には、試験の条件をご相談下さい。

  • 至適生育条件確認試験 (定性)

    温度、pH、NaCl濃度などの生育条件に対し任意の5段階の培養条件で微生物株の至適生育条件を確認します。

    至適生育条件確認試験 (5段階の条件) の一例
    温度 :15℃、20℃、25℃、30℃、35℃
    pH   :pH 2、pH 4、pH 6、pH 8、pH 10

参考文献

  • (1)

    Kiyota T, Hamada R. Sakamoto K, Iwashita K, Yamada O, Mikami S. Aflatoxin non-productivity of Aspergillus oryzae caused by loss of function in the aflJ gene product. J Biosci bioeng 2011;111:512-517

  • (2)

    Tominaga M, Lee Y-H, Hayashi R, Suzuki Y, Yamada O et al . Molecular analysis of an inactive Aflatoxin biosynthesis gene cluster in Aspergillus oryzae RIB strain. Appl Environ Microbiol 2006;72:484-490

  • (3)

    山田 修. 麹菌 Aspergillus oryzae のアフラトキシン生合成遺伝子ホモログクラスタの解析. 日本醸造協会誌 2008;103:665-669

受入可能な検体

試験項目

種類

必要量

備考

・アフラトキシン生合成遺伝子解析試験
・耐熱性試験 ( 定性)
・至適生育条件確認試験 ( 定性)

平板培養物

1 枚

当社での培養確認を必須とします。培養条件をご指示下さい。
生育性や純粋性に疑義がある場合には、ご連絡します。

液体培養物
スラント ( 斜面培養物)
アンプル
グリセロールストック

1 本

価格・納期

試験項目

単位

単価 ( 税抜 )

目安納期

アフラトキシン生合成遺伝子解析試験

34,000 円

22 営業日~

グループ 1 確認試験※

+ 70,000 円

耐熱性試験 ( 定性・1条件 )

23,000 円

分類群による

至適生育条件確認試験 ( 定性)

温度(5条件 )

24,000 円

15 営業日

pH/NaCl 濃度(5条件 )

20,000 円

17 営業日

※ グループ1確認試験を実施する場合には、納期を延長する場合があります。

  • 常用培地以外の培地や嫌気条件での培養などをご指定の場合、追加費用が必要となります。【ガイド】 追加費用のご案内をご参照下さい。
  • 多検体でご依頼の場合の目安納期は、お問い合わせ下さい。
  • アフラトキシン生合成遺伝子解析試験は以下のアおよびイの特許を所有している独立行政法人酒類総合研究所から使用許諾を受けています。
    ア. 特許番号 第4756417号  イ. 特許番号 第5137096号

ご依頼前の同意事項

ご依頼前の同意事項(共通)を必ずご確認下さい。
・ 検体の生育性の有無や培養時間は、その菌の性状に依存します。当社は試験の遂行に最善の努力を払いますが、実施の確実性を保証するものではありません。
・ 培養条件や培養スケールの違いにより、菌株の性状が変化する可能性があります。これらの試験結果への影響について、当社は保証するものではありません。
・ 培養は、お客様のご指定、または当社で適当と判断した培養条件で行いますが、十分な生育が得られることを当社は保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、細菌「日本細菌学会バイオセーフティ指針」、カビ・酵母「Atlas of clinical fungi」または「各微生物株保存機関の情報」 を採用しています。他の機関や海外の情報とは異なる場合があります。
・ バイオセーフティレベルは、病原体の危険度レベルに基づく分類です。結果に報告されるバイオセーフティレベルは、当社がその安全性(危険性)を保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、各微生物種に対し定められています。報告書で示すバイオセーフティレベルは目安であり、検体自体のバイオセーフティレベルを示すものではありません。