植物由来配列のPCR増幅を抑制したアンプリコンシーケンス解析

植物性食品中 (発酵食品) の細菌叢解析は精力的に進められています。
しかし、ユニバーサルプライマーの配列 (341f – R806 16S V3-V4領域)1)、2)ではStreptophytaの配列を増幅してしまい、本来の細菌叢を反映できないことが確認されています 。

ユニバーサルプライマーの配列では
Streptophyta の配列を増幅してしまいます。

植物性食品中 (発酵食品) の細菌叢解析で16S rRNA遺伝子を標的とした遺伝子解析を実施する際、データベースに植物由来の配列 ( Streptophyta ) が登録されている場合、ユニバーサルプライマーの配列 (341f – R806 16S V3-V4領域)1)、2)では Streptophyta の配列を増幅してしまい、本来の細菌叢を反映できないことが確認されています。

16S rDNA V5-V7領域を
標的としたプライマーを用意しました。

16S rDNAV5-V7領域を用いることで、 Streptophyta の配列の増幅を抑えられることを確認しております (図1)。 RDP (Ribosomal database project) およびGreengenes databaseで効果があることを確認しました。

植物由来の配列を完全に除去することはできません。

植物を含む菌叢解析において、植物由来の配列が増幅してしまう問題を大幅に解消していますが、植物由来の配列を完全に除去できない点は注意が必要です。また、16S rDNA V3-V4領域の解析結果とは単純な比較ができなくなる点も注意が必要です。

  • (1)

    Muyzer G, de Waal, EC. Uitterlinden, AG. Profiling of complex microbial populations by denaturing gradient gel electrophoresis analysis of polymerase chain reaction-amplified genes coding for 16S rRNA. Appl Environ Microbiol 1993;59:695–700.

  • (2)

    Caporaso JG, Lauber CL, Walters WA, Berg-Lyons D, Lozupone CA et al. Global patterns of 16S rRNA diversity at a depth of millions of sequences per sample. Proc Natl Acad Sci U S A 2011;108:4516–4522.

  • (3)

    Chelius MK, Triplett EW. The Diversity of Archaea and Bacteria in Association with the Roots of Zea mays L. Microb Ecol. 2001 Apr;41(3):252-263.

  • (4)

    Bodenhausen N, Horton MW, Bergelson J. Bacterial communities associated with the leaves and the roots of Arabidopsis thaliana. PLoS One. 2013;8(2):e56329.

試験に関するお問い合わせ

株式会社テクノスルガ・ラボ 営業部 E-mail:tsl-contact@tecsrg.co.jp 電話番号:054-349-6211(代表) 〈受付時間〉9:00~17:00(土日祝除く) お問い合わせフォームはこちらから