Bacillus cereusグループ関連試験

概要

B. cereus groupは、B. anthracis ( 炭疽菌) やB. cereus (セレウス菌) といったバイオセーフティーや感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律 (感染症法) の観点できわめて重要な菌種が含まれる微生物群です。しかしながら、B. cereus groupに含まれる菌種は16S rDNA塩基配列や形態学的特徴、生理・生化学的性状が類似していることがわかっています。また、近年多くのB. cereus groupに含まれる新種が報告され、16S rDNA塩基配列解析による種の識別が困難です。当社では、B. cereus group内の種の識別について、以下の試験項目を提供しています。

試験項目

目的

B. cereus group Multiplex PCR 試験

B. anthracisB. cereusであるか、それ以外の種であるかを推定します。
また、特定の毒素遺伝子を保有するか否かを推定します。

下痢毒素 ( 溶血素 BL エンテロトキシン ) 検出試験

下痢毒素を産生するか否かを確認します。

B. anthracis でないことが確認された後の試験実施となります。

  • B. cereus group Multiplex PCR 試験

    15種類のプライマーを含む、2種のプライマーセットを組み合わせた試験により検体のB. anthracisB. cereusへの
    帰属の可能性、毒素遺伝子の有無が推定できる他、B. anthracisB. cereus以外であった場合は、帰属候補種が推定できます。検体がどの菌群に帰属するのかおよび嘔吐毒素合成遺伝子保有の有無を推定することができます。

レーン番号 M:

陽性対照 ( マーカー )

レーン番号 1:

SIIDxxxxx—01

レーン番号 2:

SIIDxxxxx—02

レーン番号 3:

SIIDxxxxx—03

レーン番号 4:

SIIDxxxxx—04

レーン番号 5:

SIIDxxxxx—05

レーン番号 N:

陰性対照 ( 滅菌水 )

レーン番号 M:

陽性対照 ( マーカー )

レーン番号 1:

SIIDxxxxx—01

レーン番号 2:

SIIDxxxxx—02

レーン番号 3:

SIIDxxxxx—03

レーン番号 4:

SIIDxxxxx—04

レーン番号 5:

SIIDxxxxx—05

レーン番号 N:

陰性対照 ( 滅菌水 )

  • 下痢毒素 (溶血素BLエンテロトキシン) 検出試験

    B. cereus などの産生する下痢毒素として、溶血素BLエンテロトキシン、非溶血性エンテロトキシンなどが知られています。当社では、逆受身ラテックス凝集法により、高感度 (≧0.6 ng/mL) に溶血素BLエンテロトキシンを検出する下痢毒素 (溶血素BLエンテロトキシン) 検出試験です。

試験に使用するキットの特長1)

下痢毒素 ( 溶血素 BL エンテロトキシン ) 検出試験

使用キット

CRET-RPLA 「生研」

検出原理

逆受身ラテックス凝集反応法

検出毒素

・ 溶血素BLエンテロトキシン (HBL) 

非溶血性エンテロトキシン (NHE) は検出不可

HBL 検出感度

≧ 0.6 ng/mL ( 高感度 )

試験の判定

目視による凝集塊の大きさ

上:試験区 下:対象区

参考文献

  • (1)

    吉田義博、後藤慶一. セレウス菌に関するセミナー報告. ILSI Japan 2008;95:84–87.

価格・納期

試験項目

単位

単価(税抜)

目安納期

B. cereus group Multiplex PCR 試験

40,000 円

7営業日

下痢毒素 ( 溶血素 BL エンテロトキシン ) 検出試験

21,000 円

6営業日

ご依頼前の同意事項

B. cereus group Multiplex PCR 試験は、検体がB. anthracisB. cereusであるか、それ以外の種であるかを推定します。また、特定の毒素遺伝子を保有するか否かを推定します。本試験の結果は、検体の帰属種を結論づけるものではありませんが、検体がB. anthracis に帰属する可能性が示唆された場合、検体を即時滅菌処分します。
・ 検査、診断を目的とした試験ではありません。研究を目的とした試験です。
ご依頼前の同意事項 (共通) を必ずご確認下さい。
・ 検体の生育性の有無や培養時間は、その菌の性状に依存します。当社は試験の遂行に最善の努力を払いますが、実施の確実性を保証するものではありません。
・ 培養条件や培養スケールの違いにより、菌株の性状が変化する可能性があります。これらの試験結果への影響について、当社は保証するものではありません。
・ 培養は、お客様のご指定、または当社で適当と判断した培養条件で行いますが、十分な生育が得られることを当社は保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、細菌「日本細菌学会バイオセーフティ指針」、カビ・酵母「Atlas of clinical fungi」または「各微生物株保存機関の情報」 を採用しています。他の機関や海外の情報とは異なる場合があります。
・ バイオセーフティレベルは、病原体の危険度レベルに基づく分類です。結果に報告されるバイオセーフティレベルは、当社がその安全性(危険性)を保証するものではありません。
・ バイオセーフティレベルは、各微生物種に対し定められています。報告書で示すバイオセーフティレベルは目安であり、検体自体のバイオセーフティレベルを示すものではありません。