サッカロマイセス・セレビシエ (Saccharomyces cerevisiae) の特徴
酵母の一種 Saccharomyces cerevisiae
Saccharomyces cerevisiae (サッカロミケス・セレビシエ/サッカロマイセス・セレビシエ) は酵母の一種で、「出芽酵母」や「パン酵母」というと一般的にこの種を示します。ビールや日本酒などのアルコール醸造に欠かせない微生物であると同時に、ヒトと同じ真核生物であることから、モデル生物として古くから様々な研究がなされてきました。「出芽酵母」という名前の通り、1つの母細胞の端から芽が出るように膨らみが生じ、娘細胞ができます。娘細胞が母細胞と同じくらいの大きさまで成長した後、母細胞 (親元) を離れて増殖していきます。セレビちゃんのイメージはこの出芽している状態を表しています。
正式な名前 (学名) は、「Saccharomyces cerevisiae (Desm.) Meyen」であり、1838年にMeyenによって命名されました。分類学的には、カビやきのこと同じ「菌類界」に属し、その中でも「子嚢菌門・サッカロミケス亜門・サッカロミケス綱・サッカロミケス目・サッカロミケス科・サッカロミケス属」に分類される種になります。属名の「Saccharomyces」は「ギリシャ語の σάκχαρον (sakcharon) 起源のラテン語の糖 Saccharum とギリシャ語の菌 μύκηs (myces) の複合語で、種小名の「cerevisiae」は「ビールを意味するケルト語起源のラテン語である Cerevisia の属格 Cerevisiae」に由来します。その学名の通り、S. cerevisiaeは糖を代謝しアルコール発酵を行うことが大きな特徴です。自然界のS. cerevisiaeは各種の果実や果汁などの糖質原料、土壌、海や川、葉、樹液などさまざまな場所に生育しています。
当社では植物などの環境サンプルから乳酸菌や酵母など有用菌のスクリーニングにも対応した
分離した微生物(細菌・カビ・酵母対象)を同定するの各種微生物試験サービスをご用意しております。